空飛ぶ餃子

Aro/Aceのオタクです。映画、漫画の感想・考察(ネタバレ全開)

「レジェンド&バタフライ」感想

正統派ロマンティック時代劇

東映70周年記念ということで、流石に気合いの入った作品であった。

ワンシーンだけに有名な俳優が出ていたり、衣装や撮影等も何かお金がかかってそうだった。

ストーリーは正統派ロマンティック時代劇という感じで、いま時代劇で夫婦愛を描くとすればこうなるだろうなあという感じ。

 

はるか最高

綾瀬はるかは期待どおりのキレのあるアクションを披露してくれており、馬に乗っても弓を引いても凛として格好いい。惚れ惚れする。キムタクをシメるところではもうキュンキュンしきりである。正直もう綾瀬はるかだけ観れたらいいわと思う。

そう、私は「八重の桜」と「精霊の守り人」を観て以来、綾瀬はるかのファンである。

着物での体さばきがとても美しい俳優さんだなあと思う。

アクションだけでなく、剥き出しの野心、激情、殺意を隠さないところ、もうすべて好き。

ラストまでこのつよつよ姫のまま行ってくれても私は一向に構わないのだが、そこは正統派ロマンティック時代劇なのでそこまで攻めた構成ではなかった。

これは完全に私の好みの話なのだが、ホンワカ夫婦に憧れたり、お腹の子が死んだ時に側室に嫉妬する発言をしたり、信長に「子はまた作れば良い」と言われ「妾は歳じゃ、もう産めぬ」と返したのには少しガッカリした。そこはこう、死んだ子を再び作ることなど出来ぬわ、とか言ってほしかった。私の濃姫はそう言うので。

 

ダサいキムタク

母がキムタクファンで、実家にいた頃よくキムタク主演のドラマを見ていたが、ドラマのキムタクは、いつも格好よくて何でもできて余裕があった。

ところが今回のキムタクはけっこうダサいのである。

これはとても新鮮だった。

冒頭から綾瀬はるかに組み伏せられ、狩りでもまるで相手にならず、胆力でも劣る。

崖から落ちそうになって「おなごに助けられるのは恥」とか言いながらも、結局助けられて「誰にも言うな」とふて腐れるところなどは愉快であった。

とはいえ私は最近の出演作を知らない。実は最近のキムタクはけっこうダサい方向性でいってるのかもしれない。

 

よく分からなかったところ

主役二人で仲良くお忍びで市場に行くシーンがある。

異国の躍りに興じたり、カエルの置物(その後も登場するアイテム)を買ってもらって濃姫が少女のような表情をするところなどは現代劇でもありそうな感じだった。

 

そのロマンティックなデートシーンの後、スリの子供を追いかけるのだが、そこで二人が民間人を殺戮しまくり、廃寺?お堂?に逃げ込んでワッショイするとは誰が予想しただろうか。

濃姫からかぶりついてる感じは良かったが、その後濃姫はホンワカ夫婦に憧れるようになるので、最後まで観たあと、あのシーンよく分からんかったなあという印象になった。

私はどんな性描写を見てもたいてい唐突だと感じるが、この殺戮シーンは性描写よりも意味不明であった。

 

まとめ

やはりもう少し綾瀬はるかが暴れるところが見たかったが、この映画の場合はこういうまとめ方が正解なのだろうなあとは思う。

信長と濃姫が恋い焦がれ合っているとか、濃姫がめちゃくちゃ強いとか、信長がガチのうつけとか、明智光秀が若くて信長の幻影を愛しすぎているとか、面白い解釈だなあと思った。

 

時代劇は好きだが近年新作が少なくなっているように思う、もうちょっと色んな時代劇がみたいものである。